慢性腎臓病

荒廃した腎糸球体

慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)とは、腎臓の機能が低下し、老廃物を十分に排出できなくなる病気です。診断は、血液検査で測定する「血清クレアチニン値」と「尿タンパクの有無」によって行われます。

腎臓の働きを示す指標の一つにeGFR(推算糸球体濾過量)があります。これは、クレアチニン値・年齢・性別から算出され、eGFRが正常値の60%以下に低下している場合や、尿タンパク(クレアチニン比)が0.15g以上となる場合に慢性腎臓病と診断されます。

近年、慢性腎臓病の患者さんが増加しており、進行すると透析治療が必要になるリスクが高まるほか、心筋梗塞や心不全といった心血管疾患を引き起こす危険因子ともなります。そのため、早期発見と適切な治療が重要です。

当院での治療について

当院では、慢性腎臓病の進行を防ぐために、以下の治療を積極的に行っています。

  1. 食事指導(減塩・減リン食)
    • ・塩分やリンの摂取量を適切に調整することで、腎臓への負担を軽減します。
    • ・医師による具体的な食事アドバイスを実施しています。
  2. SGLT2阻害薬を含む積極的な薬物療法
    • ・SGLT2阻害薬は、腎臓の負担を軽減し、腎機能の悪化を抑える効果が期待されるお薬です。
    • ・最新の研究でも、慢性腎臓病の進行を抑える効果が報告されています。

慢性腎臓病は自覚症状が少なく、気づかないうちに進行することが多い病気です。定期的な検査と適切な治療で、腎臓の健康を守りましょう。気になる症状がある方や、健康診断で腎機能の低下を指摘された方は、お気軽に当院にご相談ください。



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